【教授就任インタビュー】ダンサー 篠原 藍 

写真・インタビュアー:瀬尾泰章
撮影場所:日本橋スタジオ

ダンサーの篠原 藍さんがウラハラ藝大教授就任です。イタリアのダンスカンパニー『Veronika riz dance company』でダンサーとして活躍後、帰国。現在は、ダンサーの育成、プロデュース、そして自らも数多く作品を発表し続けています。

★篠原さんが、ダンスをはじめたきっかけは何だったのですか?

親が、この子にはダンスをやらせてみようと思ったようなんです。聞いた話によると、小さい頃からテレビの前の歌手やアイドルがでると、真似事でマイクをもってはいつも踊っていたらしく。あと、身体が弱かったので、運動させたかったのだと思います。それで、小学校1年生から、クラシックバレエの教室行きだしました。その後小学校6年生くらいに、モダンバレエのスタジオに移って、それから表現する楽しさみたいなものを発見したように思います。

★篠原さん自身で、クラシックからモダンへ変わったのですか?

自然な流れでした。自分でも興味があったんだと思うし、同世代の子が自由な踊り、表現をしているのを見て感銘を受け私もやってみたい!と思いモダンに移りました。 その後、美術の学校に進み油絵を学んで、色んな活動をしている人達に出会って、自分の踊りのスタイルも変わってきて。それでもう、自分自身でやっていこうと決意したんです。 ただ、身体をトレーニング、メンテナンスをするのは、クラシックバレエが一番自分の身体にあっているのでそれは続けながら、フリーで、自分が出たいコンクールに出たり、他国のダンスが好きだったら、そこに行きダンスの活動を続けています。フランスとイタリアで2年ほどダンスをしていましたが、過酷でしたよ。でも行って良かったですね。遠慮とか羞恥心とか表現にとって邪魔になってしまうものを捨てられたと思います。その他に も色んな事を吸収できました。ヨーロッパで踊りまくって気づいた事は、多かったと思います。

★素朴な疑問なんですが、人はなんで踊るんでしょうね?

言葉がない時代から、人は表現方法の1つとして踊って、表現していましたしね。人間だけでなく、まさに動物にしてもそうですよね。相手の気を引くために身体を動かして表現する。自然の事なんでしょうね。言葉ではとても恥ずかしい事なんだけど、踊りだとできる、みたいな事もあるんじゃないかと思います。私は、普段見せていない本当の部分は、動きで出せるのではないかなと思います。普段、親にも見せないような事も。ココロの中 の素顔がダンスでは出せるイメージでしょうか。

★「踊り続ける」という事。何が篠原さんを突き動かしているんだと思いますか?

マラソンとかと一緒ですかね。やりだしたら止まらない、みたいな。追求しだしたら奥が深すぎて。ダンスの動きは、全部理論で成り立っていて、数学的に、解剖学的にというか、 一つ何かが分かると、じゃあこれはどうなるんだろうってね。全部が繋がっているから、やり始めると、止められないですね。

★やはり「人にみせる」という前提で踊っているんですか?

そうですね。最終的には人に見せる為に、基本の動きをきっちりやればやるほど、自分の身体が信頼できるようになって、頭で考えたイメージにすぐに身体が反応してくれる感じがします。即興ダンスの時でも、構成は理論立ててやっていますね。料理のコースみたい なイメージでしょうか。前菜あって、メーンあって、デザートへと。観ている人に起承転結がきちんと分かるように、ストーリーは頭で組み立て、後は身体が動いてくれる感じでしょうか。そうでないと、自己満足になってしまいますからね。誰か人が観ている、人が観ている以上はその人が満足できるように展開を考えますよね。今の私の好きなダンス作品の作り方は、動きや間を作り込んだ結果、できるだけ自然にみえるような作品。偶然を意図的に作れたらおもしろいなと思っています。

★今後の目標、展望を教えてください。

年々更新していくんですが。一個やりきると、次の目標が生まれる感じですね。今、思っているのは、私は一般的にいうには「コンテンポラリーダンス」というジャンルで活動しているのですが、日本での、「コンテンポラリーダンス」は、どこか意味が分かりにくいというイメージがあると思います。だから、そういうのではなく「新しいジャンルをつくる!」のが目標ですかね。

★「コンテンポラリーダンス」の意味が分かりにくいっていうのはどういう事ですか?

今の日本のコンテンポラリーダンスは「動かない」という事に焦点をあてているような作品が多い気がします。例えば、10分くらい動かないのをずっとお客さんがずっと見せられて、ものすごく 感銘を受けることもありますが、眠たくなってしまうっていうのも多く、そういうのはどうなのかなと思うんです。まず、私としては、お客さんが「楽しかった!」っていうのが一番です。「んー?」と意味 が分からないようなものではなくてね。もっとエンターテイメント性のあるダンスを目指していきたいですね。人から「何のダンスを踊っているの?」と聞かれた時、はっきりと自分のスタイルを伝えられるようになりたいですね。

★ウラハラ藝大ではどんな事をやっていきたいですか?

今まで、同じ境遇のダンサーたちとしか、やっていなかったところがあるので、実験の場として、いろんなジャンル、ダンスだけにとらわれず、色んなアーティストの方と実験や 共演をしていきたいなと思っています。ダンスのプロデュースもやってみたいし、何か今モヤモヤしているものを、打ち破るそんな鍵をみつけていけたらなとも思っています。ベリーダンスの市川さんもいらっしゃいますが、私ベリーダンス好きなんです。人気も高いですよね。ベリーダンスがなぜこんなに人気かというと、場所を選ばず踊れるし、世界観があって、キレイ。エンターテイメント性があるというか。レストランで踊る方もいらっしゃるし。そういうのをやってみたいですね。ベリーダンスというものでなくても、自分のダンスをもっと、気軽にいろんな方に観ていただける場がつくりたいなと思います。「ダンスの総合デパート」って感じですかね(笑)

★篠原さんのおすすめダンサーいたら教えてください。観てみたいです。

いますよ。最近は Batsheva Dance Company、Hofesh Shechter Company の作品、ダンサーが好きですね。偶然にも両方イスラエルの振付家です。一昨年は、イスラエルに行きましたが、彼らのダンスは最高です。パワーが凄くて、観ていて爽快感があります。私自身、そういってもらえる、ダンサーになりたいですね〜。

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ウラハラ藝大代表 Photographer | 写真家

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