【ゲスト教授】澤田知子/古代エジプトの女王になってみたい

写真と記事:瀬尾泰章

今回のゲスト教授は、キュートでお茶目なアーティストの澤田知子さん。現在は、ニューヨークを拠点にワールドワイドに活躍されていますが、昨年末、澤田さんが帰国した際に大阪でインタビュー。澤田さんとは、僕が昔、ニューヨークに遊学していた時からのおつきあい。あらたまってインタビューというわけではないが、ちょっと聞いてみた。素朴な質問などなどを。

瀬尾:澤田さんって、みんなからいろんな肩書きをいわれると思いますが、『写真家』?それとも『アーティスト』?皆さんにはなんていってますか?

澤田:どっちでもいいと思ってるかな。よく人から聞かれるけどね、確かに。何かのインタビューとかされて、肩書きを書かないといけないんですけど、なんて書けばいいですかっ?て聞かれたら、”アーティスト”ってこたえてるかな。

写真家っていってしまったら、写真だけの作品をつくっていることになるけど、わたしは映像作品もつくってるし。木村伊兵衛賞をもらった時やICPの賞をもらったときも、あれは写真家の賞やし、でも私は写真を撮ってない、だから「澤田知子は写真家なのか!?」って書かれたけどね。

でも私はどっちでもよくて、私じゃなくて、人が写真家と、私の事を思うかどうか、だと思うし。私が特別、写真をとっていない写真家ではなくて、写真を撮ってない写真作品を作っている人って、私以外にもたくさんいるしね。例えば、瀬尾くんが私の事を、写真家だと思えば、写真家だし、シャッターをきってない人は写真家ではない、と思えば私はまた別のものだろうしね。

瀬尾:なるほどね。僕は澤田さんのこと、肩書き=澤田知子、って感じかなって思ってましたよ。

澤田:はは(笑)。そういえば、一時期は、”変装家”っていわれることもあったな。前に、『職業、
澤田知子』っていわれた事もあるし。私のなかでは、肩書きに関しては特にこだわりはないよ。

瀬尾:澤田さんの作品って、澤田さん本人が作品になってますが、例えば、澤田さんが記念写真を撮ろうよ、といって、みんなで記念写真を撮る、これって作品?ではないですよね。

澤田:そこにちゃんと意図があるかどうかだと思うよ。作品だと思って撮影すれば、作品だしね。ただの記念写真だと思って撮ればそれは記念写真だし。ものづくりって、そんな感じじゃないかな。今回も瀬尾くんが私の写真を撮ってくれたけど、瀬尾くんが今回、作品なんだと思って撮影していたら、それは瀬尾くんの作品だろうしね。

瀬尾:澤田さんが写っているけど、僕の作品っていうのは何か面白いですね。でも、自分自身が作品って不思議な感じですよね。年齢を重ねるごとにまた違った自分が作品になっていくわけで。自分の成長記録みたいなところもありそうだし。

澤田:そうやね。19歳から自分を撮り続けてるしね。篠山さん(篠山紀信)には、セルフポートレートだけど、身体を使ったドキュメンタリーだ、っていわれたことあるけど、作品を見返していても、19歳の時から現在をみてみても、10数年違うけど、そのときの流行であったり、風潮であったりがみれて面白い。お化粧とか、服とか、たった10年でも全然違うなと思うしね。その時代の女性が分かるよね。これから何十年と作品をつくり続けていくといろんなその時代の女性がわかるやろね。

瀬尾:そうだ。澤田さんの”野望”ってなにかありますか?

澤田:野望ってどんなん?でもな、わたしニューヨークにいってから野心がなくなったからな~。すっかり性格がまるくなってしまって(笑)日本にいた時のほうが、目標というかこういうふうにしたいっていうのがはっきりあって、で、それがほとんど達成したからっていうのもあるんだろうけど。あとは年齢的なものもあって、もうちょっと年齢を重ねてからではないととれない賞であったり、展覧会であったりするから、そういうのもあるのも関係してるのかもしれないけどね。

今はどっちかといえば、続けていくことの難しさも分かったし、今は、たくさん応援してくれている方もいるし、そのありがたい状況を、これを100パーセント取り組むことで、応援してくださる人に返せればとも思うし、その人たちに喜んでもらって、その流れで大きな美術館で展覧会できたらいいなって、思うな。

前は、どっちかといえば、この賞をとりたい、とか、写真集をだしたい、とかわりと物理的な、野望というよりかは、目標というか希望があったね。

そうだな~、野望、、、ね~。あっ。あった!人生の最後の夢というか、”孫の手をひいて澤田知子美術館のオープニングにいく!” 。それが終わったら今のところその後にしたい事ってないかな(笑)

瀬尾:ちょっとこんな質問します。例えば、『魔法のランプがあるとして、どこにでも行ける、なれる』となったらどうしたいですか?

澤田:古代エジプトの女王になってみたい。高校の卒業文書に『将来の夢、古代エジプトの女王』って書いたしね。だから迷わずこれかな(笑)

瀬尾:おお~。それは是非みてみたいです。

瀬尾:ところで、今のニューヨーク生活はどうですか?

澤田:めっちゃ楽しい。プライベートを大事に、生活を楽しみたいってことがあるかな。もちろん作品制作を続けてくのはあるけどね。日本にいる時は仕事ばっかりしてて、まったくプライベートな時間がなかったんだけど、ニューヨークにきてからは、作品制作の事はもちろん、プライベートでも十分に時間をとることができていて、とても充実した毎日を過ごしてるよ。

瀬尾:いいですね。ニューヨークって街歩いているだけでも楽しいですしね。ところで、澤田さんってやっぱり人間観察ってすごくするんですか?

澤田:私、すごく人間観察してるってまわりから思われているけど、全然そんなことなくて。街歩いていても、全然まわりをみてないし。たまに街で知り合いにすれ違ったりすることあるけど、私はまったく気がつかなくて、向こうかが気づいてくれてやっと分かるみたいな。待ち合わせしても、私は見つけることできなくて、いつもみんなから見つけてもらうほうなん。だから、待ち合わせでは、見つけてね。

澤田知子 tomoko sawada

成安造形大学卒業。2000年のキヤノン写真新世紀の特別賞を受賞。2003年に写真家の芥川賞といわれる木村伊兵衛写真賞を受賞。2004年には、ニューヨークの国際写真センターで、『The Twentieth Annual Infinity Awards Young Photographer』を受賞後、世界的に注目を浴びる現代アーティストとして、現在はニューヨークを拠点にワールドワイドに活躍中。作品である「ID400」は、ニューヨーク近代美術館MOMAにも所蔵されている。日本では、NHKトップランナーに出演するなど、TV、新聞、雑誌と各方面から注目されている。

http://www.e-sawa.com/
http://mem-inc.jp/artists/sawada_j

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written by

ウラハラ藝大代表 Photographer | 写真家

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