【ゲスト教授】Mike Harris / キャニオニング、アドベンチャーにかける想い

写真と記事:瀬尾泰章

今回のゲスト教授は、群馬県水上(みなかみ)町で、日本に今人気のキャニオニングブームを作った人物であり、アウトドアスポーツ、アドベンチャーをビジネスとして成功いている会社(株)キャニオンズの代表:Mike Harris(マイク ハリス)さんです。彼のアウトドアスポーツ、アドベンチャーにかける熱き想いを聞く事ができました。

※僕が訪ねた8月後半はハイシーズンで予約いっぱいの為、キャニオニング体験できませんでしたが、10月前半にまた計画中です。

東京から電車に揺られ、約3時間半、群馬県水上(みなかみ)町にやってきた。

ここ水上は昔、温泉街として栄えた街ところ、バブルの頃は団体客で大賑わいのこの街だったが、バブル後は客足が減ったのだ。しかし、そこで水上の自然を愛し、理解してきたマイクをはじめとするアドベンチャーたちの手によって、この水上は今では全国からたくさんの客をよべる一台テーマパークとして復活したのである。

東京から電車に揺られ、約3時間半、群馬県水上(みなかみ)町にやってきた。

ここ水上は昔、温泉街として栄えた街ところ、バブルの頃は団体客で大賑わいのこの街だったが、バブル後は客足が減ったのだ。しかし、そこで水上の自然を愛し、理解してきたマイクをはじめとするアドベンチャーたちの手によって、この水上は今では全国からたくさんの客をよべる一台テーマパークとして復活したのである。

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マイクさんが元々日本に来たきっかけはなんだったのでしょうか?

私の出身はニュージーランドなんですが、高校生の時から日本に興味を持っていて、もちろん日本語を勉強していたのですが、いつか日本に行きたかったんです。それで、ちょうどそのチャンスが大学の時にきたんですよ。92年の事でした。大学の交換留学生で静岡県の藤枝という街に、最初はやってきました。同じニュージーランドの仲間たちと勉強しながら、ガソリンスタンドに働いてましたよ。夏休みの3ヶ月を使ってね。

そして94年に卒業して、またすぐに日本に来ました。その時は白馬のスキー場で働いていました。

スキーは子どもの頃からやっていて、日本のスキー場はとても良いと聞いていたし、大学で覚える日本語以外に、もっと自由で自然な日本語をしゃべりたいと思い、山に行けば外国人はあまりいないんじゃないかってね(笑)そしたら日本語上手くなるだろうと思ったんですね。

水上へはどうやって?

95年のシーズンにあるニュージーランド人に出会ったんです。彼とは白馬のスキー場で偶然出会って、水上のことを教えてくれたんです。ちょうど彼の友達がここ水上でラフティング会社をはじめたから、水上行けば面白いよと、で95年の春にはじめて水上に来ました。

そして、そこの会社で働き始めたんです。電車から降りたら、山に囲まれて、川が流れていて、ここでラフティングを体験したら、すごい!と、ここは世界的レベルだなと思ったんです。それから、3シーズンくらいですかね、彼の会社で働いて、日本のオフシーズンとかは、世界各地でラフティングのガイドとかやっていたんです。98年からは別の会社に移って、マネージメントをやりながら、そこでキャニオニングというスポーツをはじめたんですね。

キャニオニングってもともとはどこが発祥なんですか?

キャニオニングは元々はヨーロッパが発祥ですね。今から40年前にスペインとフランスのペルニーズという山で生まれたスポーツなんですけど、私がはじめてキャニオニングに出会ったのは、ガイドでネパールにいっていた時でした。

ヨーロッパのキャニオニングのガイドに出会って、そこでキャニオニングの技術など、ガイドのトレーニングを受けたんです。キャニオニングはすごく面白いなと思って、水上は利根川が凄くいい川なんですが、春先はボリュームがあって川が流れているんですけど、夏になるとダムの放流がとまってしまって、川のグレードが落ちるんです。

で、夏、ここ水上でもスリリングなアドベンチャーを作りたいなと思って、ネパールで出会ったキャニオニングがばっちりだなと思ったんです。水上は小さい川もいっぱいあるし、滝もあるし、これなら夏でもできるなと確信したんですよ。

2000年から、キャニオニングを本格的にやろうと思って、現在の会社キャニオンズを自営業としてはじめたんです。キャニオニングが伸びたのが、その2年後くらいでした。

水上には若い人もそんなにいないのでは?地元の人たちの中にとけ込むには苦労もあったのではないですか?

はじめて来たのは、95年だから、まあバブルがはじけて5年くらいだったのかな。それ以降は山に遊びに来る人の人数も大幅に減ったんですね。温泉客も団体客が下がってきているっていう、そんなタイミングだったんです。若い人には温泉旅行はあまり人気ないから、どちらかといえば、お年寄りのマーケットが多かったんですよ。

僕は地元の人からは最初、変な目でみられていたと思いますよ。なんだ、この不良で長髪の変な外人が変なことをやり始めたってね。危ないな~とかね、そういうリアクションだったんです。何でも新しいものはそういう反応があると思うんだけど、だけど、年々とここで暮らしていくと皆さんと友達になってね、地域の祭りにも参加したりして、距離が近づいたっていうことはありますね。そして、アウトドアブームってこともあって、20、30代のお客さんも増えていったんです。

夏一番多いときは、1日4000人以上はここ水上にアウトドアをしに来るんですね。ハイキング、ラフティング、キャニオニング、カヌー、パラグライダー、バンジージャンプ、マウンテンバイク、水上はほんといろいろ楽しめるんですよ。最近では家族づれも増えてきてますね。また元気な街に戻ってきているんじゃないかなと思います。

素朴な質問なのですが、山、川って誰かのものだったりするんじゃないですか?

それはね、結構大きいポイントになってるんですけどね、個人の所有のところもありますが、水上は国立公園とか、国有林が多いんですね。日本は残念ながら、アウトドアに関するルールがあまりないんですよ。良いも悪いも、オペレーターからすると、こういうビジネスをはじめるのは凄く簡単。川は誰でも利用していいっていう事になっているんですよ。

はじめやすいっていうのは良い事かもしれないですが、誰にでもできちゃうっていうのが良くないんですね。安全性の問題とか、クオリティーの問題とか、自然保護の問題とかにつながっていくからです。持続可能なツーリズム、この先50年とか100年後でも今と変わらずいい状況が保っていられるとか、それ以上に良くなっているとかそう考えないといけないのですが、日本は今すごく悪循環になって、オーバーユース(使いすぎ)の状況になってきてます。

良い資源がいっぱいあるけど、使いすぎてしまうと、ちゃんと管理しないとなくなるし、今はそういう状況に近づいてきているんです。今まさに、時代が動かないといけない時期に入ってきたんじゃないかと思います。

アウトドアはとてもリスクもともなう。人の命を預かって、ツアーをやるんだったら、自分たちでただ遊んでいるのとは全然違うと思うんです。日本でそういう法律はできてない、だから早めに何かしないといけないですね。

92年頃は日本には、ラフティングなどを経営する会社なんて日本で3、4社くらいしかなかったのに、今は150社以上、水上だけで10社あるんですね。大げさな事をいうと瀬尾さんも明日、ここ水上で起業しようと思えばできますよ。

会社同士で縄張りとかないんですか?

ここ水上では、組合をつくって、最低限の安全基準を守ってやっていきましょという事になってるんです。だからといって、法律ではないので守らなかったからどうこうなるって話ではないんです。だから、そこの整備をなるべく早くやっていかなければいけないと思っています。

マイクさんがこのキャニオンズを経営するうえで、心がけていることはなんでしょうか?

やはり、家族連れだとか、20代、30代の個人客、求めているマーケットがそれぞれ違うと思うんですが、そのマーケットにあったものを提供するのが一番ですよね。例えば、こどもは凄く喜ぶけど、大人は、「なんなんだこれは、簡単すぎるよっ」てなっちゃうでしょ。だからまず内容作りだとか、この内容なら、この人たちに満足するねって、こっちの人たちだったらこっちが満足するねと、1つ大きなシステムづくりが大事ですよね。

例えば、うちの場合、半日コースは4つあるんですが、普通のコース以外にも、じゃあこれはファミリー専用コース、ちょっとスリリングなコース、とかね、お客さんのニーズにマッチする事は重要ですね。あと、微妙な調整はガイドの腕ですね。怖いけど、水上に挑戦しにきた人も多いわけです。でガイドの腕でその人が挑戦して、その怖さを乗り越えて、達成感にみちるという事をあじわってもらう、そういうところが本当、ガイドの腕にかかっています。

なので、ガイドはかなりレベルの高い良いガイドを使わないといけないです。ガイド経験がまず必要ですし、トレーニングをしっかりしてい事、顧客の満足度を上げられるエンターテーメント性などがしっかりある事。必要な要素です。

結構みんなツアーをしに来ているっていうよりは、自分の心を、自分自信を試したいっていう人が多いですよ。アドベンチャーっていうのはそうですよね、一歩先を挑戦するっていうね。リフレッシュしにくる、非日常を体験しにくる、特に都会に住んでいる人は毎日の決まった都会のパターンだから、本当にスカッとする開放感を味わいたいんですね。大自然の中に入って、奇麗な水に入って、自分がまだやったことのないチャレンジをしたい。

人によっては、飛び込むのに、1Mで怖い人もいれば、10Mを飛び込むのは大丈夫な人もいるしね。上手いガイドは、人の顔をみれば、この人は強がってみえるけど、本当は怖がっているから、もう少しやさしくして、大丈夫なように誘導したりね、上手く誘導できる人ですよね。

挑戦心を大事にね、ほんとこれに挑戦できたら、その人は成長する。達成感ですね。自分が今日はすごい事できたっていうね、自分的にはすごく成長したなっていう感じすれば、いいなと思っているんです。毎日のツアーはそういう想いでやっています。

こういうアウトドアスポーツ、アドベンチャー事業を経営、運営していくのって何が大事な要素なんでしょうか?

そうですね、Sustainability(持続可能性)が大事だと思います。それは4本の柱からできているんです。

1つは、クオリティー。低コストでってことは良くないですよね。レベルの高いガイドを使って、良いものを提供する。

2つめは、地域にメリットをもたらす。お互いに全部つながっているから、それを考えながらね。例えば、水上の場合は温泉もあるし、宿泊パックなんかくんだり、ここでこうすれば、ここが安くなりますよとか、いろんなメリットを組み込んでね。地元を高揚しようとかね、そういう気持ちですよね。

3つめは、自然保護。今、こんな楽しいことができるのは、この自然があるから。そのままの状態でキープしないと。

最後4つ目は、収益をもたらさないといけない。収益がないと新たな投資とか、もっとこうしようとか、もっと良くしようとかできないからね。水上はとても東京からアクセスがいいんですよね。人口が多いところから、水上にきてくれる。凄くいい環境なんですね。地方でもとてもいい資源を持っているんだけど、中心地から行き着くのに半日かかるとか、そういうところだったらビジネスとしては上手くいかないよね。

はい、これら4つがないと上手く持続できないと思います。

マイクさんの今後の夢や目標を教えてください。

そうですね。キャニオンズ(会社)としては、日本のアウトドアスポーツ/アドベンチャーのリーダーになりたいですね。基準もしっかり、継続可能な体験をできるように、日本全国で展開していきたいです。

多くの人にリフレッシュできるものを広めていき、みんなに開放感をあたえたいですね。そしたらみんなやる気になるし、体験後、現実社会に戻った時に、周りの人たちが、「あっリフレッシュしてるな」っていうね、そういう体験をした人は周りにも気持ちが伝わると思うんですよね。

だから日本社会をリフレッシュできればいいかなと思いますね。水を、自然を大事にしましょうと、50年後、100年後も同じ場所で同じように、次の世代が遊べるようにしていきましょうとね。まだまだ挑戦していきますよ。

キャニオンズHP:http://www.canyons.jp/
※先月8月ガイヤの夜明け出演。

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written by

ウラハラ藝大代表 Photographer | 写真家

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